シーリング(コーキング)について

サイディング目地シーリング打ち換えについて 普通のHPじゃ掲載してない事を
動画や画像にて解説していきますね。けっこう長編です。以下目次です。

①シーリング(コーキング)放置すると どうなるか?

シーリングは年月経過と共にサイディング断面から裂けたり割れたりしてきます。
【▼マウスか指を乗せるとUP写真に変化します】

サイディングの表面は工場で塗装保護されてますが切断面(シーリングが入ってるトコ)は
素地が出ているので破断して水が染みると ふやけて脆くなりやすいです▼

水分で断面が軟らかくなり、目地沿いが欠けたサイディング外壁

目地の内側にはハットジョイナーという金属のジョイント部材が入ってます。

サイディングを外し、目地内側のハットジョイナーと木製の胴縁が見える状態

軒が無く常に雨のあたるバルコニー壁面の目地は破断したシーリングから長年に渡り水がまわりハットジョイナーが錆びているお宅を よく見ます。

【▼マウスか指を乗せるとUP写真に変化します】

このような状態の場合 古いシーリングを撤去して新しいシーリングを打設する打ち換えが現在は主流です。

②古いシーリングを「どの程度」撤去するのか?

同じ 撤去~打ち換え工事なら誰がやっても同じと思っていたら 実は大間違いで けっこう闇が潜んでいます
まずはカッターで切り込みを入れて古いのを抜き取ります

カッターで縦目地の旧シーリング材を切り離して引き抜く作業

これだけ撤去しました! みたいな写真も他社HPで よく掲載されてます。

撤去した古いシーリング材をビニール袋に集めた状態

カマボコ板からカマボコ切り離す時に板側に薄ぅくカマボコ残りますよね?
そして これを「包丁」で削ぎ落とすの地味に大変ですよね?

板に薄く残ったかまぼこで、旧シーリングの取り残しを例えた図

サイディング目地の場合も どんな切り方しても こんな感じに薄く取り残しが出ます

撤去後のサイディング目地に薄く残った旧シーリング材

▼は「日本シーリング材工業会」から引用しました。ガイドブックには 
*旧シーリング材を残さないよう取り除くべし さもないと後でヤバイよ、、、的な事が書いてます

旧シーリング材の撤去と残った薄膜の除去を説明する施工ガイドの抜粋

つまり ↓こういう事になる恐れがあり との事ですね

旧シーリングの取り残しによる接着状態の比較。左の矢印は経年で疲労した薄膜シーリング材を示す。

▼のお宅は有名ハウスメーカーで建てられて築12~13年位の時にハウスメーカーに1回目の
外壁塗装とシーリング打ち換え工事を依頼  築25年位の時に僕が2回目の同工事に伺いました。

シーリング打ち換え工事のため足場を設置した住宅の外観

当方による2回目のシーリング打ち換えの際 撤去した旧シーリングを見ると1回目のメーカー工事の際は
断面に薄く残った古いシーリング剤の上から打設しているのが大変よくわかります

撤去したシーリング材に重なって残る新築時の旧シーリング

▼はハウスメーカーや工務店等 建設業従事者向けに定期購読で売られている実務情報誌で
2017年12月号がシーリングの特集でした。 この表紙は 曽根塗装店さん の「手」です (^^)

シーリング工事特集を掲載した『日経ホームビルダー』2017年12月号の表紙

▼は どのレベルまで「撤去」しているか? の特集ページで 当時日経BPの記者さんと曽根さんとで
日本各地の塗装 シーリング業者さんに 「見た話 聞いた話で良いから実際どんなもん?」


と複数社に聞き取り調査を実施 統計を取って 平均値で割った数字です。

シーリングの撤去方法を4段階で比較した日経ホームビルダーの記事

2017年 日経ホームビルダーアンケート

撤去方法割合
① 最低レベル
撤去せずに「打ち増し」
40%
② 初級レベル
切って引き抜くだけ
50%
③ 中級レベル
切った後、残った薄膜をざっくり除去
10%
④ 上級レベル
切った後、残った薄膜を徹底除去
0%

といった結果になりましたが、10年近く前の調査なので 現況とは違うのでは?という事で
全国各地にいる日本塗装技術研究会のメンバー16人に 同様のアンケートをとりましたところ

2026年 日本塗装技術研究会アンケート

撤去方法割合
① 最低レベル
撤去せずに「打ち増し」
10.3%
② 初級レベル
切って引き抜くだけ
63.4%
③ 中級レベル
切った後、残った薄膜をざっくり除去
26.2%
④ 上級レベル
切った後、残った薄膜を徹底除去
0.06%


10年位前までは イケイケな訪問販売系業者が横行しており これ塗れば大丈夫!みたいなノリで
①で施工されてるお宅も多いイメージですが近年は情報が行き渡り さすがにそれはマズイでしょ
という事で①比率は かなり低くなった感じですね。 
ただ こういった「ハイブリッド①」は 多々見ます。▼

知人現場に手伝いに行った際 そこの近隣のお宅が丁度シーリング工事中でした。
画面右側の目地は②レベルで撤去しています

【▼マウスか指を乗せるとUP写真に変化します】

が 左側の目地は丁度 縦樋(雨樋)が干渉する為 カッターが入りにくいので
①レベル(打ち増し)で打設する模様です。ちなみに 汚れたシーリングの上に薄く打ち増しても
ちゃんと密着しません つまり ほぼ意味の無い作業な訳で 劣化していないのであれば未処置のほうが
良いと思うのですが、「未処置」だと施主様から指摘される可能性がある為、クチコミを重視する会社は
体裁を気にして こういったジェスチャーを よく使います

縦樋の裏で旧シーリングが撤去されていない目地

ちなみにこういう縦樋が干渉する場合 僕んトコの場合 樋を外します▼

外壁目地を作業するため縦樋を金具から外した状態

先ほどの塗装会社の下請けのシーリング職人が休憩中に 声をかけ話を聞いてみると なんと
激安1棟7万円! で請けているらしく 赤字を出さない為には ドンドン進めないといけない
事情があり 樋外したり 丁寧に除去したり出来ない金額なので ま~そら仕方ないわな、、、、、
と納得しました。 ただ そういう仕事に慣れると 「30万出すからガイドブック通りやって」
と言っても 7万円の「手」になってるので出来ない というのも現実です。逆もしかりですが、、、

①~④ どの方法で作業を行ってもシーリング打設してしまえば全くわからなくなりますし
④だから②の倍長持ちする訳ではありませんし 実証データもある訳ではありませんが
できる限り ガイドブック通りにやりたい所ではあります。 
*曽根塗装店さんからの紹介で 東京~九州まで来て頂き 一応 私も取材を受けましたm(_ _)m

北条塗装店による旧シーリングの徹底除去を紹介した雑誌記事

ただ ↑これをやるには当然手間(お金)を要す為 当初は施主様に①~④グレードを選んでもらい
それ(金額)に沿った仕事にしようと思ってましたが先程の下請けの人と逆パターンで 
この方法が習慣になると ②③は出来なくなりました。なので現在では④か未処置で選択します。

【▼PCはマウスを乗せて、スマホはタップで②⇔④の撤去状態を比較】

既存を完全に撤去するには当然理由もあり 例えば工期の制約に厳しい新築のシーリング工事の際に
当日中に終わらせないとマズいから 雨が降って濡れた状態 でもお構いなしに
打設されている 等というケースの場合 ▼AIで作った極端な例の写真です

雨で濡れた外壁にシーリングを打設する不適切な施工のAI生成イメージ

または シーリング業者がテキトーな性格だった 等の場合は、薄く残ったシーリングも信用できない為
全部除去してリセットするのが望ましいですが 運良く天気も職人も良い場合は
②③でも問題無い「かも」知れません。「ガイドブックは あくまで綺麗事」と割り切れる
タイプの施主様であれば気にしなくて良いですが そうじゃない方は施工業者に どこまでやるのか?
確認される事をお勧めします。 

③シーリングの厚みの重要性

施工事例の 大分県津久見市S様 のシーリングを撤去した際に 細く薄く打設されてる箇所と
広く厚く打設されてる箇所 それぞれの柔軟性(強度)を比較した動画です▼

新設時 外壁を張る職人の程度の差で適正な目地幅でサイディングが張られてないケースが 
ちょくちょくあります。 その場合 そのままだと薄く細くしか打設できないので
こういったケースの場合 電動工具で削って目地幅(打設量)を確保します。

【▼マウスか指を乗せると目地幅拡張後写真に変化します】

▼細かったシーリングを撤去 目地幅を拡張後 打設 既存と新規の差です。

撤去した細い横目地シーリング材と打ち換え後の幅広い目地

この厚みに関しては 絶対的に必要で、適正な幅と厚みが確保されていれば20年位なんともない
というケースも よく目にします。

④2面接着と3面接着について

▼は「日本窯業外装材協会」から引用しました。

2面接着と3面接着の比較シーリング材を充てんする目地にはいろいろな外力によりムーブメント(動き)が発生するので、3面接着を避け2面接着とする。3面接着とはシーリング材が被着体の2つの接着面の他に目地底に接着している状態をいう。下図に示すように、目地の伸縮時に目地底のシーリング接着面に応力が集中し破断する危険がある。 上段は2面接着、下段は3面接着。左に施工時の断面、右に目地が開いたときの伸びと破断例を示す。 (イ)3面接着の防止 シーリング材を充てんする目地にはいろいろな外力によりムーブメント(動き)が発生するので、 3面接着を避け2面接着とする。3面接着とはシーリング材が被着体の2つの接着面の他に 目地底に接着している状態をいう。下図に示すように、目地の伸縮時に目地底の シーリング接着面に応力が集中し破断する危険がある。 施工時の断面 目地が開いたとき 2面接着 目地幅 目地の開き ムーブメント シーリング材の伸び率以内では 破断や剥離はない 3面接着 目地幅 目地の開き ムーブメント 弾性が発揮されず破断を おこす 説明文・原図:日本窯業外装材協会より引用/図は描き直し ボンドブレーカー 目地ジョイナー ボンドブレーカー 目地底接着 目地ジョイナー

シーリングはサイディングの両断面への「2面接着」が望ましく 目地底のハットジョイナーに
接着する「3面接着」は 季節や気温の変化によるサイディングの横方向の伸び縮みに
ついていけず割れまっせ という内容です。  その為 改修時には目地底に付着させない為の
絶縁テープ(ボンドブレーカー)を貼り直す事が望ましいです

縦目地の底に赤いボンドブレーカーを貼る作業

▼は福岡市の固いお仕事をされている知人 (有)ナカヤマ彩工さん 
が2面接着 3面接着 どう違うか? を実験 検証した動画です。大変わかりやすいです

ページ冒頭で出てきた有名ハウスメーカーの2回目工事の際は 前回のメーカー施工の際
ボンドブレーカーは省略されてまして目地底に張り付いて 撤去に難儀しました(TT)

ボンドブレーカーがなく、ハットジョイナーに接着した旧シーリング

シーリング撤去した際に新設時のボンドブレーカーが 一緒に剥がれる場合と剥がれない場合とあります。
剥がれない場合は そのまま再利用で良いですが 剥げた場合は貼り直し必須です。
が、、、、見た話聞いた話だと 後者の場合でも6割~7割位の確率で省略されているのでは????
と感じます。(↑ハウスメーカーでもこれですから) なので確認をお勧めします。

⑤シーリング打ち換えの手順

と いったこれまでの事を踏まえて当方のシーリング作業の流れを紹介します。
①まずは作業の邪魔になる縦樋&金具を仮撤去します

【▼マウスか指を乗せると仮撤去後写真に変化します】

樋の根元で切断して 後で専用ジョイントで復旧します 動画です▼

シーリング部分に絡んでるものは 外せるものは外しておきます。

シーリング目地にかかる窓の面格子を仮撤去した状態

普通のカッターよりも取り残しの少なく済む電動工具を使用して切り込み

電動工具で旧シーリング材に切り込みを入れる作業

ペンチで引き抜きます

ペンチで縦目地の旧シーリング材を引き抜く作業

刃だけで2000円位するスウェーデン製の特殊な工具で断面の薄い膜を削り落とします。
*これをやるとボンドブレーカーのテープはグチャグチャ再利用不可になります

スクレーパーで目地断面に残った旧シーリングの薄膜を削り落とす作業

黒っぽい下半分が旧薄膜で白っぽい上半分がサイディングの地肌で 

目地断面を削って露出した素地と、旧シーリングの薄膜が残る部分の比較

ただ撤去するだけの3倍近く時間を要します。 動画です▼

削った際の埃を強風の出るブロアーで清掃

旧シーリング撤去後の目地をブロアーで清掃する作業

マスキング

シーリング打設前に縦目地の両側をマスキングテープで養生した状態

シーリング専用の接着剤(プライマー)を塗布 この時に薄膜の旧シーリングが残ってると
こういう濡れた色になりません。

目地断面のプライマー塗布済み部分と未塗布部分の比較

ボンドブレーカー貼り

シーリングの3面接着を防ぐボンドブレーカーを目地底に貼る作業

打設

コーキングガンで養生した縦目地にシーリング材を充填する作業

ヘラで転圧して均していきます

打設したシーリング材をヘラで押さえて平らにならす作業

テープ剥がして出来上がりです。

マスキングテープを剥がし、白いシーリングの仕上がりを確認する工程

この他に あれこれ書きたい事もありますが これ以上長くなるのもアレなんで終わりとします。

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