塗料メーカーは自社製品のPRで各社こういったカタログを作り施工業者は こういう資料を元に
施主様に材料の説明を行う事が多いかと思います(▼は あくまで一例です)




私は 過去に携わったお宅 を定期的に観察に伺っております。使用した塗料メーカーや製品名等
全て記憶しており 年月が経過して どうなったか? を把握しております。
果たして こういったカタログの文言通りの結果になるのか???
このページでは ↑の単なるカタログのコピーみたいな宣伝HPでは書けない具体的な塗料のリアル
を解説していきたいと思います。
塗料の種類と価格について
塗料の種別には大きく分けて、ウレタン・シリコン・フッ素・無機などの種類があります。一般にはこの順に価格や耐久性のグレードが上がると説明されますが、同じ種別でも安価な製品と高価な製品があり、塗料の種別だけでは判断しにくいところがあります。
塗料の種類と、1缶あたりの価格の目安
| 塗料の種類 | 1缶あたりの目安 |
|---|---|
| ウレタン | 約8000~12000円 |
| シリコン | 約13,000〜30,000円 |
| フッ素・無機 | 約30,000〜60,000円 |
※材料1缶あたりの価格の目安で、工事全体の金額ではありません。各販売店によって価格は多少異なります。
3缶使う場合、材料費はどれくらい違う?
| 比較する組み合わせ | 1缶の差額 | 3缶の差額 |
|---|---|---|
| 安価なシリコン(13,000円)と 高価なフッ素・無機(60,000円) | 47,000円 | 141,000円 (約14万円) |
| 高価なシリコン(30,000円)と 安価なフッ素・無機(30,000円) | ほぼ差額なし | ほぼ差額なし |
※上の表は、それぞれ3缶使用すると仮定した材料費の比較です。実際の必要量は
製品や施工条件によって変わります。
「シリコンか、フッ素か」という名前だけで、材料費の差は決まらない場合もあります
見積書に記載されたメーカー名・製品名でネット検索し、価格を確認しておくことをお勧めします。
尚 〇〇ペイントジャパン など 海外から日本の代理店形式で出店している塗料メーカーの場合
施主による価格調査を防ぐ目的でインターネット上で価格の掲載はしておりませんが 日本の塗料メーカーがOEMで製造しており価格帯も性能も 日本の物と大差ありませんが、国内メーカーと圧倒的に違うのは
販促資料が充実しているという点です
そんな大した事ない安価シリコンでも 凄い技術で開発した みたいな文言で 塗装屋の私が見ても これは凄い材料なのでは?? と思ってしまう程なので、一般の方が見ると信じてしまうのは無理ないな~と思います
そういったカタログ パンフレット 等の商談アイテムは素晴らしいと思います
材料を売るだけではなく その前段階の集客までセットにしたビジネスアイデアでうまくいった企業が多く
私が訪問販売員だった頃も そういった特殊な塗料感満載で営業トークしまくってました。
高価な塗料ほど長持ちするのか? *経年後どうなったか?
これまで私は、安価なシリコンから高価なフッ素・無機まで、様々なメーカーの製品を採用してきました。外壁には、価格と性能のバランスからシリコン樹脂塗料を使うことがほとんどでしたが シリコン でも大きく分けて
2種類あり それぞれ価格と取り扱いの手間が違います 下記に簡単にまとめました
同じシリコンでも、材料費と手間が違います
| 比較する項目 | ① 水性1液型シリコン | ② 弱溶剤2液型シリコン |
|---|---|---|
| 材料費の目安 (当時・1缶) | 約14,000円 | 約23,000円 |
| 使う前の準備 | 開封し、水で希釈 | 主剤と硬化剤を指定比率で計量・混合し、シンナーで希釈 |
| 余った材料 | 適切に保管すれば翌日も使用可能 | 混合後は硬化するため、翌日への持ち越しは不可 |
| 作業の手間 (当店の実感) | 1 | 約1.3 |
| 見積もりへの影響 | そこまで無し | ①より材料費も手間もかかるため、同じ価格では施工できない |
※発生する手間の「1:1.3」は当店の感覚的な目安です。
こうした違いを施主様に説明して選んでもらっていました。17年前の当時、販売店やメーカーからは
「②の方が高い分、長持ちする」と聞いていたのですが、5年 10年と年月が経過して
確認すると、私が施工した外壁塗装では
②の方が優れているとは とてもじゃないけど思えませんでした。
但し 弱溶剤2液型は水性1液よりも下地に対して密着強度が高いので
人が歩く屋根面やツルツルした材質の鉄部や付帯塗装物など塗料の付着が外壁面に比べて
悪い材質の対象物では迷わずこちらを選びます。
*凹凸があり塗料の食いつきが良好な「外壁面」でのお話です。
当時提案していた「松・竹・梅」と、経年後の結果
さらに、シリコンとフッ素の中間という位置付けの「③ハルスハイブリッド」も採用し、当時は松・竹・梅で
価格と耐用年数の違いを説明し 選んで頂いてました
| 当時の提案塗料 | 1缶の価格 | 経年後の状態の変化(私個人が観察した感想です) |
|---|---|---|
| 松:③ハルスハイブリッド | 約28,000〜30,000円 | 9年後を撮影。実際には6年ほどから変化が見られ、今回の3種類では最も厳しい結果。 申し訳なさすぎて施主様宅に顔出しできない位のレベル |
| 竹:②弱溶剤2液型シリコン | 約23,000円 | 南面の壁面では7年後あたりから色褪せが始まり 12年経過した段階では 明らかにチョーキング(粉化)が発生 |
| 梅:①水性1液型シリコン | 約14,000円 | 南面壁面で10年近く経過しても顕著な色褪せは確認できず 12~13年経過すると ややチョーキングが発生という状態で この中では最も優秀 |
※これは当店の施工事例を経過観察した結果です。立地・下地・色・観察年数が異なり、同一条件の試験ではありません。すべての製品の耐用年数を示すものではありません。
「今回の経過観察」では、価格の高い順に長持ちする、という結果にはなりませんでした。
松が最も厳しい結果で、梅が最も優秀。なんとも夢の無い結末を迎えてしまいました。
当時、松を選んで施工させて頂いた施主様には、大変申し訳なく思います、、
以下は ① ② ③それぞれの塗料の経年後の写真です。
まずはこの3種の中で最も高価な「松」の塗料での経年後の実例です
(フッ素に限りなく近い!とカタログに載ってました)
【マウスか指を乗せると施工直後~約9年後へ画像が変わります】
建物全体の比較です。PC:写真にマウスを重ねる/スマホ:写真をタップ
【マウスか指を乗せると施工直後~9年後写真へ画像が変わります】
↑を撮影したのは9年後ですが 実際は6年位~様子がおかしくなってました
続いて「竹」②弱溶剤2液型シリコン樹脂塗料の12年経過後状態
【マウスか指を乗せると施工直後~12年経過後へ画像が変わります】
そこまで直射日光の当たりにくい東面でも これくらい退色してます
塗れたタオルで拭いてみるとハッキリとチョーキングしてるのがわかると思います

続いて「梅」①最も安価な部類の水性1液型シリコン樹脂塗料 13年経過後です
ここの施主様はモルタル外壁のクラックをどうにかしたい という強い要望があり
耐候性を担う上塗り塗料は こだわらない という事でしたので 「梅」の上塗りで決定
安価な材料だから そこまで持たないだろうな~と思ってましたが
【マウスか指を乗せると施工直後~13年経過後へ画像が変わります】
13年前とカメラが変わったので色味が違って見えますが 少し色が醒めたかな? という程度でした
さらに例によって最も太陽のあたる箇所を濡れたタオルで拭きましたが わずかにチョーキングしている
程度で 「竹」や「松」に比べると かなり優秀な結果でした。

ここのお宅も先程の「竹」のお宅と同時期(13年前)に「梅」での施工
▼塗装が終わり足場を解体している写真です

13年後の写真です。 同じく優秀な状態といえます。

ここのお宅も「梅」で施工しました 先程の「松」と同じような色 同じ位の年月(約9年)
同じ様な立地条件ですが 明らかにこちらのほうが経過が良いです
▼は9年経過後の写真です
【マウスか指を乗せると施工直後~約9年後へ画像が変わります】
写真にマウスを重ねるか、タップで切り替えられます。

2017年2月14日|施工直後最も過酷な環境にある 南面バルコニー壁面でも うっすら艶が残ってます

濡れたタオルで拭いて ほぼチョーキングは無しでした。

さらにいうと この「梅」グレードは安価で売れ筋商品なので各塗料メーカーが
同等品を多数販売しております。 数社の「梅」塗料を使用した結果ダメなのもあれば
良いものもある というのも現実でした。 経年後の調査で私が実感した事は
メーカーや販売店の売り文句 カタログ情報を鵜呑みにすると 痛い目にあう という事でした
もちろん高い塗料が全部ダメという事ではなく 高い分高性能なものも実在しますが
「経年後の調査」をしてみないとホントの所はわからない という事ですね
忖度無しの塗料の耐久性レースとは? 壮大な塗料実験
上記に記した私の経年後の塗料調査は あくまで私の経験であり 必ずこういう結末になるとも
言い切れません。 施工したのは全て私ですが 立地条件や下地の状態などによって違いますし
「色」によって耐候性に差が出るのも事実です。
では その「本当の所はどうなのか?」を探るべく 「日本塗装技術研究会」 では
壮大な実験をしております。 以下写真は 同会から引用したものです▼
2025年2月にメンバーが大阪に集結(私はこの頃まだ未入会です)
国内塗料メーカー 海外メーカーも含む ウレタン シリコン フッ素 無機系などの
外壁 屋根用塗料など 合計188種類の塗料を 室内保管用 暴露用の2種類の板に対して

同一条件で それぞれ塗布

すごい量ですね、、 国内流通の塗料は ほぼ全て網羅してそうです

完成した暴露板を 本土の2倍の紫外線量の沖縄県宮古島の 日本ウエザリングテストセンターに送付

負荷を強くかけるべく 斜め上向きに暴露しております。暴露地域によって微妙な角度調整があるそうで
宮古島の場合 20度がベストだそうです 外壁面などの垂直面が負荷1とすると 屋根面だと2.5倍
さらに紫外線量も多いので 宮古島での暴露1年は本土の南向き外壁面3年半分位に相当するらしいです

約1年経過後 センターのスタッフさんにより 屋外の試験体を屋内に移動 メンバーが宮古島に集結して

1年経過して塗膜の光沢は どう変化したか? 膜厚は変化したか?を専用の機械で計測していき
188種類の塗料の数値を全て記してデータを残し これを5年間行います

これは東京都の将美建装さんが撮影した写真ですが 1年間で これくらい差が出たものもありました
ものすごくわかりやすいですね。

私も宮古島の計測作業に参加させて頂きましたが、あの塗料はカタログにはあんな事書いてるのに~
とか あんなに高いのに 結果これかよ! みたいな声がメンバーさん達から聞こえて興味深い発見でした
光沢計や膜厚計の「数値での比較」も勿論ですが 室内保管と暴露板の差をできる限り「鮮明な画像」
で残すべく 愛知県名古屋市の丸信塗装 さんが10万以上する高価な ガチカメラを購入(^_^;)

現地のガチのカメラマンを読んで セッティングしてもらう徹底振りです。

やはり変わった人種の集まりの会なので こだわりが強すぎてドン引きしましたが
これ以上の忖度の無いテストは無いのではないか? と思いますので 今後2年 3年と経過が楽しみです。
尚 この壮大なテストには それはそれは(メンバーさん達の)凄い労力とお金が かかっております。
なので当たり前ですが どの塗料がどうだったのか? のネタバレ防止の為 一般公開しませんし
受注した施主様だけにしかお伝えする事ができませんので そういう質問はご遠慮ください
大分県以外の方が このページをご覧になって 問い合わせをしてみたいという場合は
日本塗装技術研究会の会員一覧ページ からお近くの施工店へとご連絡してみてくださいませ。
最後に一言
さて 上記の試験の結果 本当に長持ちする塗料が判明したとして
仮に20年 30年と維持する製品があったとして
それを用いる意味があるかどうか? を考えると なんとも言えない所があります。
というのも 壁面や屋根以外の シーリング部分の寿命 雨樋が破損して交換の時期が来た
屋根のトタンの釘が浮いて 張替えが必要etc 15年置きくらいに 足場を組んでメンテナンスを施さなければ
いけない時期がきます その時にあわせて 外壁や屋根のメンテナンスを行う場合が多いと思いますので
15年位で寿命を迎える塗料が丁度良いのではないか? という気もします
ただこれは 施主様と相談の上で決める事ですし 今回の壮大な試験の目的は優れた材料を見つける事も
そうですが それ以上に以前の私のように 選んだらいけない塗料 を見つける意味合いも大きいです
私としては 過去に提案していた 松竹梅 はインチキが判明したので今後は 本当に意味のある松竹梅を
提案する事が出来そうですので そこは 大変ありがたい事と思っております
他社の倍位手間暇かけて作業して 良かれと思って高価格な材料採用して それがインチキで
経年後酷い事になったら悔やんでも悔やみきれないので、、、、、
「日々のテストが確かな施工」の技研の理念の元 頑張りたいと思います
チャットで気軽に聞きたい方はこちら
塗り替えの疑問など、下の北条塗装店AIチャットをお使いください。
当店HPのデータを元に疑問にお答えします。
回答するのは「北条塗装店AI」です。店主本人へのお問い合わせや、工事・訪問の予約受付ではありません。
*ここには お名前・電話番号・ご住所などの個人情報は入力しないでください。
