北条塗装店の外壁の話
サイディングの塗替え見積りの前に知って欲しい事
ここ数年 僕が手がけるお宅の7割位が「窯業系サイディング」と呼ばれる外壁材です
ほとんどの施主様からは どんな色で? どんな塗料で? 位しか聞かれないので
ここでは「作業者目線で」もっと深い こういう部分を聞いておくと良いんじゃないか?
的な事を 動画や写真を織り交ぜながら解説していきたいと思います。

まず、サイディングって何でしょう?
サイディングの原料はセメント質原料と繊維質原料。厚みも模様も様々な種類があります
昔は無塗装のサイディングを張った後に 現場で塗装してた時代もありましたが
今では工場塗装済製品を現場で張る というのが普通になってきました。
新築時の営業マンから この外壁は○○処理製品だからメンテフリーです! と聞いてそれを
信じている方も たまに出会いますが、基本的には表面塗膜の劣化が進み水分を含み出すと
板そのものが 強度的に脆くなってしまうものなんですね。
01 サイディングを長年放置すると どうなるか?
「外壁を触ると、手に粉がつくんですけど」 これはチョーキングと言って塗替えのサインです!!
という よくあるワンパターンじゃ面白くないので 下記に続きます。

ではこれを 防水性が無いまま水分を含み 長期間に渡り放置するとどうなるか?
▼は 僕が師匠と崇めており交流のある 横浜市の曽根塗装店さん から引用した動画です。
築20年 新築から一度もメンテナンス無しの外壁を高圧水で洗うとどうなるか?
上記の動画 かなり衝撃的ですよね? この建物は軒が無く 常に外壁に雨があたる作りなので尚の事濡れている
時間が長く 劣化スピードも早い とか 板の材質とか いろんな要因があり 20年経過すると必ずこうなる
といったものではないですが、行く末はこうなってしまう材質と思ってもよさそうです。
先ほどの動画は昔っぽいサイディングでしたが次の動画は今時っぽいサイディングで築15年
高圧洗浄を終えた状態を撮影した動画です▼ 曽根塗装店YOUTUBEから引用
吸水して脆くなった部分が高圧水によって弾け飛んでいるのが よくわかります
これが部分的なら補修 形成して塗装で良いでしょうけど 放置期間が長く全面的にエグれてしまうと
確かに「塗ってもしょうがない状態」になりますね。 そうすると選択肢は2つになると思われ
①思い切って全面張替え ②エグれないように汚れや白い粉は無視してテキトーに洗う
という事になります。
▼は 2015年に僕がお世話になった大分市のH様宅で築20年で初回の塗替えでした
真ん中の煙突部分の外壁は軒が無く常に雨があたるのと 煙突部分と外壁材の繋ぎ目から
漏水していた という事もあり H様と かなり相談した結果 煙突部分だけは塗替えではなく
張替え を行う事になりました。

煙突以外の大部分の外壁は軒の出幅のおかげもあり 塗装で大丈夫でした。
周囲の色と違和感ないような色のサイディングを新たに張り替えました
【▼マウスか指を乗せると施工後写真に変化します】
撤去した板を触って見ると 少し柔らかい感じで ちょっとした衝撃で欠けてしまう状態でした。
具体的な工事記録は 大分市H様塗装工事記録 に超詳しく掲載してます。

昔は12mmの厚みの板だったのが近年では16mmになったおかげで 頑丈になった感じはします
ただ 月並み表現ですが 早め早めのお手入れに越した事はないですね。
02 コーキングや その他の症状 処置方法について
どこのHPにも書いてますが 板と板の繋ぎ目のシーリング(コーキング)これが年数経過で
断面から裂けたり 真ん中から割れたりします。 ▼こういう風になっている場合は
古いシーリングを撤去して新しく打ち替える「打ち換え」を選択するのが普通なんですが
これについては書き出すと めちゃ長くなると思うんで別ページにまとめます。
【▼PCはマウスを乗せるとUP写真へ/スマホはタップで切り替わります】
詳細は割愛しますが サイディングの張り方には金具止め と 釘止めがあり ここ最近のお宅は
ほとんどが釘を使わない金具工法ですが 僕が塗り替えるお宅は釘止めのお宅が少なくありません。
よくあるのが 釘周囲が割れてる という事態で 釘部が負荷に弱い目地断面近くになればなるほど
建物の挙動によって割れてしまう訳で 断面から20mm位離した位置に打ちなさい というセオリーが
あるらしいですが あんまり離すと下地板が無かったりして作業性が悪い為 イケイケな職人さんは
10mm位の割れやすい位置に打ってしまいます(TT)

こういう状態の時は ほとんど釘が効いてないので板がパカパカしてます。なので新しく釘ではなく
ビス(ネジ)で固定したいところです。 が いきなりビスを打つと負荷がかかり また割れてしまうので
ドリルで下穴を掘ります この時に下地の木材があるかどうか確認 無い場合は斜めに掘ったりします

写真省略しましたが ビスの頭が 少し埋まるように広浅の穴を開けステンレスビスで固定します。
この時に電動ドライバーで ガガガって締めると 割れやすいので途中からは手回しで優しく締めます
【▼マウスか指を乗せると処置後写真に変化します】
欠けた部分は シーリングで そのまま埋める事もありますが仕上がりの美観が少し悪いんで
見た目に目立つような場所は シーリング打設前に お掃除して断面にテープで土手を作り
この後 接着剤的液体「プライマー」を塗布しておきます

A剤 B剤 を混ぜると カチカチに固まるパテみたいな製品を用いて

埋めて 出来るだけ目立たないように形成して土手を剥がして処置完了 この後
マスキングを貼ってシーリング打設工程になります。 当社はいつもこうやります!!
って言いたい所なんですけど、こういう風にやると けっこう面倒臭いんすよ(TT)
なので、人目につかない部分や欠けが小規模な場合は、ビス固定までは通常通りですが欠け形成は
そのままシーリングで埋める場合もあります。見た目の問題なのでケースバイケースですね。

塗装前には当然 高圧洗浄も行います。 ここからは「とある日の出来事」です。
僕が外壁の高圧洗浄を行っている日に すぐご近所の塗替えのお宅も他社にて高圧洗浄の日だったみたいで
両方朝8時過ぎ位から洗い始めました。 で 僕が11時過ぎ位に公園へトイレに行く時に 前を通ってみたら
なんと! もう終わっているのです、、、、 最後に洗う塀や駐車場土間は綺麗になってるんで
間違いなく完了してるっぽくて いつも丸一日 ないし 1日半位かかる僕の感覚からすると
エライ早いな~ と ある意味感心しました。

で 褒められた行為ではないですけど 陰湿な僕は ちゃんと洗ってんのかぁ? と思い
人知れず しれっと覗いてみました、、、、、すると やはり予想通り とても丁寧な洗浄とは言い難い
この状態でマジで塗るつもりなん? という結果でした

軽く触っただけでも粉が手につきます。

↑こんな洗い方でも見積書に明記してある高圧洗浄の項目は行ってるんで 手抜きでは無いと思いますし
多分 ここの施主様も感じの良い営業と職人で綺麗に仕上がって半年1年でベラベラに剥がれたりしなければ
お客様満足度もあがるのだと思いますんで ビジネスとしては正攻法な事をしていると思います
*ちなみに この会社さんのGOOGLEクチコミ評価は高得点です、、、、
*ちなみに この事を知り合いの職人に話すと 今時それくらい普通だよ、、、、との事です、、、
、、、、が こういう具合に 僕はいつも洗うんで 外壁面のみの高圧洗浄で ほぼ1日かかり
屋根まで洗うと1日じゃ終わりません エンジン音が長いからたまに苦情がきます
03 この塗料はサイディングに塗って本当に大丈夫なのか?
近頃は 工場出荷時に特殊な表面処理を施しているサイディングがチラホラあるのと 過去に塗り替えた塗料と
その上にまた塗り重ねる場合と 既存の下地と新しく塗る塗料(下塗)の相性が悪いと 付着性に問題がある
場合があります。 下塗の付着性が悪いと 当然その上に塗る上塗も同時に剥がれてしまう訳なので
下塗材料の選択には とても注意が必要になってきます。
何も確かめずに 全部塗って 実は密着が悪かった という事になったらドえらい事になります。
と ここで私事ではありますが 当方2026年2月から 日本塗装技術研究会 という塗料や施工方法などを
研究 試験 をしている会に所属しました。 曽根塗装店さんも古くから所属しており そこでは
サイディングに対しての 下塗の付着試験もしているので その模様をご紹介します。
▼写真は日本塗装技術研究会の実験コラムから引用してます 詳しくはコチラへ
試験体は14年程前に水性シリコン樹脂塗料で1回目の塗替えを終えたお宅で 今回が2回目
塗料メーカー4社 5種類の下塗塗料を塗布 結果のばらつきを考慮して
それぞれを2ヶ所ずつ塗った状態です。この後に充分に乾燥させる

塗料の密着強度を測るクロスカット試験と言いまして 縦 横に6本ずつ カッターで切り込みを入れる

セロテープをグリグリおさえて貼る

思いっきり剥がした時に どの程度剥がれないか? を確認する

そして 各5種類の結果が出ました

【A】だけは2液形で、価格は下記4種の約3倍。
【B】【C】【D】【E】は通称サーフ系と呼ばれる同等品で価格差も数百円です。
他の4種に比べ、格段に高価な【A】だけが全く剥がれない結果となりました。
【B】~【E】は剥がれていますが、剥がれ方に明確な違いが出ました。
信頼性を重視するならば【A】の選択となりますが、予算の都合で
価格が1/3のサーフ系から選ばなければならないとしたら【B】になりますね。
決して選んではいけないのは【E】で,やる気?を感じさせない剥がれ方をしています。
こんなに対照的な結果が出ることは珍しいのですが、何よりも驚いたのは,
塗装後10年以上経過している水性塗料に密着しない下塗塗料が
平気で売られているという事実でした。 記事提出者:日本塗装技術研究会 曽根塗装店
この材料が どこのメーカーの何という塗料なのかは会員以外はわかりません
さらには このような試験を行っている人は大分県の僕のまわりでは居ません なので
検証など行わずに 塗料メーカーのカタログだけを鵜呑みにして 【D】や【E】を使っている
現場は いくらでもあると想定されますし 僕自身も【D】や【E】 を過去に使用した事も
あります。 そう考えると「日々のテストが確かな施工」
という会のコンセプトは 素晴らしいな~ と感心いたします。
実際の現場では 外壁を塗り始めるまでの諸々の作業の間に目立たない所で付着試験を
行った上で材料を発注するという慎重な流れが無難だな と思いました。
*バタバタやるタイプの業者だと さっさと塗り始めるでしょうけど、、、、
04 サイディングの外壁塗装の施工実例
これまでにお仕事させて頂いた サイディング外壁のお宅です。塗り潰し仕上げではない仕上げのお宅を中心に掲載しました 写真またはボタンから、かなり詳しい施工記録をご覧いただけます。
これ以外のお宅の実例も 多数掲載しております ▼こちらからご覧下さい






